このお話は、普通の25歳独身社会人「物欲 草太(ものほし そうた)」が、
極限系ミニマリスト「物無 尊(ものなし たける」との出会いにより、
ミニマリストとして目覚めていく物語である。
というコーナーを始めました。
物語の形をとりながら、節約系ミニマリズムをわかりやすく説明できれば思います。
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僕の名前は物欲草太、25歳。
沖縄で月給18万円の中小企業で3年目の営業として働いている。
18万円というのは手取りではないよ。
沖縄では こんなもんなんだ。
だから、一念発起して、東京の会社に就職しようかな~なんて考えている。
できるかは分からないけど、とりあえずハローワークに話を聞きに行ってみよう。
雪へのあこがれもあるから、東北でも北海道でもいいなと考えている。
どこでも、沖縄よりは生活楽になるだろうし。
ここがハローワークか。けっこう年のいった人がたくさん来ているんだな。
大変そうだ。ああなる前に、僕は東京に出るんだ!
「次の方どうぞ」事務所の人に呼ばれて、窓口へと向かう。
席について「東京での就職を考え」
「東京なんてやめておきなさい。暖かい沖縄で暮らしたほうが絶対幸せですよ。
まあ、あなたの住むところですから好きにしても良いのですが。」
「東京での就職を考えているのですが」と言い終わる前に、
ぶっこんで来たこいつは・・・・
この間YAMAZA電気でTVを買うなと言ってきた極限系ミニマリスト
「物無 尊(ものなし たける)」だ!
ハローワークへ転職したのか・・・・
あっけにとられていると、勝手に話を続けてきた。こいつはそんなやつだった。
「東京となると、たしかに収入は増えますが、支出も増えます。
たとえば、被服費だって増えるのですよ。冬服は値段も張りますからね。」
「そんな服代って言っても、たいして変わらないでしょう?」
気を取り直して、そう聞いてみた。
「沖縄県の被服費が低いという証拠として、このサイトを確認していただきたい。
grading.jpn.org
47都道府県を対象とする「世帯(2人以上)の被服および履物費」についての都道府県ランキングです。
最上位から、1位は奈良県の16,179円、 2位は埼玉県の16,120円、 3位は東京都の15,671円。
最下位から、47位は沖縄県の6,622円、 46位は鳥取県の7,973円、 45位は青森県の8,087円。
このように沖縄県は暖かい影響で、被服費がかからないのです!
1年の内12~3月以外は半袖で行けますからね。
その結果、東京の半分以下ですよ。これは沖縄に住むしかないでしょう!」
「寒いはずの青森は何で低いんですかね?」
すかさずツッコミを入れたが・・・
「それについては知らん。」
ばっさり切り捨てられた。
ただ、沖縄では服代にかける費用が低いのは間違いないようだ。
暖かさの影響がないはずはない。
「あとは、夏場の沖縄の職場ではスーツじゃなくてかりゆしウェアーでの勤務が認められているから、
スーツのクリーニング代もかからないし、スーツの買い替えのタイミングも遅くなるから、地味に得だというのもあるかもしれませんね。
かりゆしウェアーの喪服があるくらいですから。
葬式に半袖で行くというのは個人的にはどうかなとは思いますがね・・・
かりゆしウェアーって、色が派手じゃないだけでアロハシャツですからね。
ただ、営業マンがスーツで働かなくても良いと許されているのは、
沖縄くらいじゃないですか?
あれをやりはじめると、夏場にスーツなんて来ていられないですよね。
お堅い銀行の営業ですら、かりゆしウェアーで来ますしね。」
「加えてやはり寒い地方は光熱費、水道費が高くつく。詳しくは、
以下のサイトで確認をしてほしい。
47都道府県を対象とする「世帯(2人以上)の光熱・水道費」についての都道府県ランキングなのだが、
最上位から、1位は山形県の31,070円、 2位は青森県の30,606円、 3位は岩手県の28,701円。
最下位から、47位は宮崎県の18,386円、 46位は兵庫県の19,177円、 45位は鹿児島県の19,633円、沖縄は44位で20,722円だ。
とすると、山形県と比べると月当たり1万円、1年で12万円もお得なのですよ。
転職を考えておられるくらいですから、月収を1万円上げることの大変さはご存知でしょう?」
「自宅であれば、暑いのはまだ、裸になれば耐えられるので冷房費は節約できるけど、
暖房費は削れば寒くて耐えられないから費用がかかるのは、
冷房費<<<<暖房費なんです。
あと、沖縄の夏の暑さは日差しの暑さだから、日陰に入ればそこまで暑くないですしね。
去年沖縄では、熱中症による死者が5年ぶりに出てニュースになりました。
他県なら毎年なくなっていますよね。
夏の天気予報で、沖縄より暑い都道府県が北海道しかない!ということも、
年何度もあります。
沖縄は、夏そこまで暑くなく、冬は寒くない。最高の気候です。」
「寒い地方のほうが冬季うつにもなりやすいし、暖かい沖縄に住む方が精神安定にはよいのですよ。日光に当たる時間が短いとうつになりやすくなるそうだし。
寒いというのはそれだけで不幸ですからね。
今日1/27の朝の気温12度でしたが、それですら寒くて死にそうでしょう?
今朝から事務所のみんなで「寒い寒い」と愚痴を言いあっていましたよ。
10℃以下になるような場所に住むなんて馬鹿のすることですよ。ほんと。
沖縄でぬくぬくと生きましょうよ。」
「いや、ちょっと待ってください。
沖縄はこの資料によると、自殺率全国1位ですよね?
暖かい沖縄がうつになりにくいなら、これっておかしくないですか?」
「むむ・・・・」
初めて物無が口ごもった。
「それはね、沖縄は離婚率、出生率、貧困率、軽犯罪率が高いからね。
なんとかなるさ~精神で、てきとうに物事を処理することを重ねて、問題が大きくなり、精神病んで自殺するんだろうな・・・・
ハローワークにも、そんな切羽詰まった人たくさん来ますよ。
でも、てきとうにしすぎないで、そこそこしっかり考えて生きている、
私のような上等な人間にとっては、沖縄での仕事、生活は気楽でよいと思います。
良くも悪くも自分に甘いから、人のミスについてもそんなにキレない。
自分もミスする代わりに相手のミスも許すという雰囲気がある。
その証拠に、クレーム発生率は沖縄は少ないそうですよ。
実際に私も週1、2件しかクレーム受けませんし。」
「クレーム受けているんかい!」
思わず突っ込んでしまったが、それも無視してさらに畳みかけてきた。
「あなたは仕事を辞めて、転職しようとしているくせに、
次の仕事先のあても、コネもなく、場当たり的にハローワークに職を探しにきているくらいですから、仕事そんなにできる優秀な人というわけではないでしょう?
とても、東京の荒波では精神が持ちませんよ。
だったら沖縄の今の中小企業で、のんびりてきとうに働いて、
最低限の給与をもらいながら、定時で帰宅して、副業でもしてお金を増やすことを目指したほうが良いのではないでしょうか?
あと、もし、破産するようなことになっても自殺しないようにね。
沖縄県は共産党の力が強い地域だから共産党事務所に行って、弁護士を無料で紹介してもらって、その弁護士と一緒に役所に行けば、ほぼ生活保護もらえますから。
県知事のツイートを共産党がリツイートしているような県です。
共産党員の弁護士と一緒に行けば大丈夫ですよ。たぶん。
それに失敗しても、最悪、沖縄はホームレスになったとしても、凍死するということがない唯一の県ですから。」
「いや、共産党にも行かないし、ホームレスになるようなはめにまではならんわ。
もういいです。転職しません。沖縄で副業でも探しながらお金貯めます。
ありがとうございました。」
「分かれば良いのです。寒いというのは不幸ですから。」
「聞きましたよ、それ。もういいです。」
「大事なことなので、2度言いましたよ。」
ニヤっと笑い、
そう言い残して物無は事務所の奥に引っ込み、コーヒーを入れて飲み始めた。
僕の次に4名も椅子に座って待っているんだがな・・・あいつ休憩する気か?
まあ、いいや、とりあえず、暖かい沖縄でのんびりそこそこ仕事頑張りながら、
副業で稼ぐという働き方をちょっと考えてみよう。
たしかに沖縄の、のんびりした職場ですら、そんなに成果を出せていない僕が、
いまさら東京に出て頑張るというのも大変だ。
物無 尊。あいつにはまた近いうちにどこかで会うことになりそうな気がする。
2019/01/27記事作成