どうも、節約系ミニマリストのゆるいてんちょうです。
あと1160日後に今の仕事を退職し、実家に戻って和牛繁殖農家を継ぎます。
さて、農家=儲からないというイメージになっている理由は大小さまざまありますが、その一つに「農業機械ビンボー」という負のサイクルがあります。
どういうことかというと、以下のグラフを見てください。
グラフの上下が手元にある現金と思ってください。
まず初期投資でお金がなくなります。その後最初数年は初期投資のローン返済もありますし、うまくいかない部分もあるので利益がなかなか出ません。
その後利益が増えていき、安定期に入ります②
そして安定期になると農業機械の購入をして現金が減りますし、ローンが増えますので、低迷期③になります。
その後また利益が増えていき安定期に入ると④設備投資でや農地購入でまた現金減る⑤
ということを繰り返しながら拡大していきます。
ただこれは理想論で、設備投資をしていっても利益が増えていくとは限らないのです。
それは特に零細農家の場合、経営規模拡大のための設備投資ではなく、より楽にいつもの作業ができるようになるための設備投資になることがよくあるからです。
農作業は体がきつい。しっかりと農作業に耐えうる筋肉を十分につけていないと、腰やひざを壊します。60,70歳になるお年寄りが農作業をやろうとするとかなりきつい。
ということで、「機械化で楽して稼げるようにする=正しい農業」という刷り込みもあり、ついついその経営規模では不必要なレベルの農業機械を新品で導入したりしちゃうんです。
よくある大きさのトラクター(畑を耕したりするのに使う)ですら、1千万円前後の値段がしますからね。
農家の倉庫には高級車並みの農業機械が2,3台並んでいたりします。
10年ごとにレクサスを2台ずつ買っている感じです。そりゃ儲かりませんよ。
もちろん補助金も出ますし、農業機械自体が担保になることもありJAで安い金利でローンが組めるのでけっこう簡単に買えます。
そして経費として計上できるので納税額は激減します。
しかし、それを買ったからにはそのローン返済まで、また今まで以上に働かないといけません。機械化したことで時間は短縮できますが利益率は下がります。そうなると耕作面積を広げたり、飼育頭数を増やさないといけなくなります。
そうなると・・・・より楽に仕事をしたい・・・→更なる農業機械の導入をしてさらにローンを組むという負の連鎖が始まるのです。
正しい設備投資は、今の状況でも十分儲かっていてお金もたまっているけど、さらに経営規模を拡大してもっと儲けたい!という流れでやるものです。
楽に作業をしたいから機械を買うということをすると、もっと精神的に経済的にきつくなります。
だから経費として使えるからと言って農業機械をどんどん購入してはいけないのです。
たとえ税金を多く払うことになったとしても、ローンで購入した農業機械が増えることよりも、現金が手元に残ることのほうが大事なのです。
その手元に残った現金を5年間NISAにぶちこんでインデックス投資をしておけば、1.1倍くらいにはなるでしょう。そうやってお金を増やした後に農業機械を買うのです。
経費で落ちようがローンはローン。借金です。
良くも悪くも農家は個人で経営もしているので、こういうお金関係が疎くなります。
そしてなにより、農業を手伝ってくれている両親、奥さん、夫から、「仕事きついから機械を入れようよ」という提案があったときにダメだ!とは言いにくいのです。
働いている横で「腰が痛い、腰が痛い・・・」と言いながら働いている家族をみて、それを楽にしてあげたい!と思うのは当然のことです。
しかし、それを5年ガマンしてもらって家族みんなでお金を貯めるのです。
まあ、それが難しいのですよね・・・・特に奥さんを都会から連れてきて農業を手伝ってもらっていたりする中で、楽になるための機械購入を断ると離婚につながりかねない。
なので、農業機械導入しな代わりにパワースーツ導入したり
週1で整体に通うとかそういうので年50万円かかったとしても、そのほうが数百万~1千数百万の機会を買うより遥かにお得でしょう。
いかにお金を稼ぐかよりも、いかにお金を使わないでアイディアで乗り切るかが今後の農業経営に必要になるのではないだろうか。
そのためにもある程度DIYできる能力は欲しい。
今他の仕事をしていてこれから農家になるなら、退職後に失業保険をもらいながら溶接や建設などの職業訓練校に半年無料で通うのをお勧めする。仮に夫婦でやるならオタが違う分野の訓練校に通っておくとさらに良いな~
20210118記事作成
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