どうも、節約系ミニマリストのゆるいてんちょうです。
農家育ちの私は小さいときから「農家は儲からないからやめておけ、しっかり勉強して大学行ってサラリーマンになりなさい」と言われて育ちました。
他の農家の人たちも同じように言うということもあり、どうにも「農家は儲からない」というイメージが強かったのですが、いま改めて考えてみると「儲かる=現金として手元に残るお金の多さ」ととらえているのがそもそも間違いなように思えます。
まず現金が手元に多く残るかという尺度で見ると、確かに農家は儲かりにくい。
しかし、入ってくるお金は少ないけど出ていくお金も少ない「低キャッシュフロー生活」をしている感じなので、生活が苦しい・・・というわけでもない。
その理由を考察してみました。
①家にかかる費用が少ない
基本田舎に住んで持ち家なので家賃はかからないし、ちょっとした家の不具合は自力で直す。農家は自営業なので時間の調整はかなり融通が利くのでそういう時間がある。
サラリーマンならまずできないし、個人事業主として店をやっている人でも店を閉めないといけないので難しい。
②食費があまりかからない
自分で商品用として野菜やコメなどを育てているし、商品用ではない感じで家庭菜園的に家族で食べる分の野菜を育てられる。ニワトリなどを飼うスペースもある。
③経費でガソリン代や車代などを落とすことができ、税金を減らすことができる
畑に行くために使うガソリン代とドライブするために使うガソリン代などを見分けることは難しいので、全部経費にしやすい。結果としてほぼ所得税をゼロに持っていける。
また、それほど動けない老いた両親も労働力として申請してそこと所得を分配すればさらに税金は減る。
④補助金が多いので、それを使えば農業に関する機械の購入やローンなどを現金が少なくてもできる
自営業で大型冷蔵庫を購入するのになかなか補助金は使えないが、農家が通販をするために大型冷蔵庫を買いたい!となれば補助金がもらえるなど。
⑤60歳過ぎても体が動く限りは何歳まででも働ける
うちの祖父は85歳でも牛を引っ張っていたし、筋肉量私よりあるくらいだった。曾祖母は100歳超えても畑に草むしりに行っていた。
これを不幸とみるかどうかは人それぞれでしょう。
別に年金で生活は十分できるのだけれども、家に日中いても他の家族も仕事に出ているしやることが無いし、健康づくりにもなるから畑いじりをするのだ。
おかげでぼけずに足腰もしっかりして寝たきりにならずに済んだ。
年金もらいつつ、自分の食べる分だけでも野菜を育てるということをしておけば、老後に2千万円必要!みたいな話はどうでもよくなる。
持ち家に住みつつ月5万円年金もらいつつ、健康に農業をすれば社会保障費を圧迫するようなお荷物と呼ばれがちな老人像からは遠ざかれるぞ。
このような感じで、意外と農家は豊かな生活を送れるのだ。
問題は補助金はもらえても自由に使える現金が少ないという点に戻ってくる。
それが分かりやすく表れるのは子供の大学進学時だ。
逆にそれさえクリアすればなんとでもなるので、子供の大学進学資金をこどもNISAで形成しておくとか、教育ローンを組むとかすればよい。
ちなみに国公立大なら家が貧乏なら学費半額免除申請はけっこう取りやすいので、農家こそ子供を地元の国公立大に入れるべきだろう。
大学の通知表のイメージでオール4以上で貧乏なら学費半額免除ほぼ通る。
先で書いた通り、農家は実際以上に所得を少なく見せて税金申請できるので、書類上はろくに生活できない極貧家庭と認識されるから楽勝。
成績が良ければ全額免除も狙える。百歩譲って1/4分だけ免除というのもある。
私も大学4年間は半額免除を使ったので、大学4年間で120万円くらしか学費はかかっていない。最初の入学金とか以外は自力でバイトして支払ったくらい。
脱線するけど
家が貧乏だから大学に行けない・・・という人は国公立大学入学手続きをしたら速攻で休学届を出して1年間バイトしまくってお金をためるとよい。
国公立大なら休学の時に費用は取られないから。
あとは半額免除申請で乗り切りながら、その1年間のバイト代を原資に生活していけば良い。
話を戻しまして、
ということで、農家=貧しくてかわいそうという間違った認識をせず、現金はないけど低キャッシュフローなので意外と豊かな人生を送れる人たちととらえてほしい。
でも、「よし、では一から新規就農して農家になるぞ!」と思うと大変
実家が農家それを継ぐのは楽なんだけど、ゼロから始めようとするとめちゃくちゃ大変。
まず農地がなかなか借りられない。
これは農家の人がやさしくないわけではない。
もし、貸した農地を途中で耕作放置されると、雑草生えまくりとなりその種が地中に入り込み、今後何年にもわたって雑草の生えやすい畑となる。またその雑草の種などが飛ぶと周りの農家に迷惑がかかる。
特に農薬を一切使わずに有機農法でやるぞ!と意気込んでやり始めるタイプの新規就農の場合は、なかなか儲からない割にものすごく労力がかかるので心が途中で折れやすい。
農地を借りられたとしても持ち家がなく、賃貸で家を借りたりすれば生活は苦しい。
あとは田舎の人間関係は密であり、一度誰かに嫌われたら全体から無視されたりしかねない。そこら辺をうまくやって入り込める人じゃないと厳しい。コミュ障ではなかなかハードルが高いのだ。
ということを考えていくと農家の生まれということは、まさに百姓貴族を目指せるということだな~
20201206記事作成